前の記事でレポートしたデザイントレンドの前日打ち合わせと称した飲み会の席で、登壇者の原一浩さんから、「なんでヒューレットパッカードの色が黒から白に変わったんでしょうね」と言われていたのですが、結局当日はセッション時間の都合で話せなかったので、ここで私の見解をまとめておきたいと思います。
まずは2011年と2012年のスクリーンショットを並べてみました。これはまたガラッと変えてきましたね。
そもそも大きく色を変えなければならない時は、企業としての戦略が変わったときがほとんどです。会社の業績が堅調であれば、ブランドイメージを変える必要はないのですから。さらに発展させたいという場合もあるでしょうが、大きく色をを変えることで、今までのブランドイメージを壊してしまうこともあるため、リスクが高いことからよほどのことがない限り、しない方が無難だと思います。
そんなわけで、そもそもヒューレットパッカードが好調なのかどうかということですが、シェアトップなのですが、それほどよいわけではありません。ちょっと関連記事を見ておきましょう。
2012年Q4の世界パソコン出荷台数は4.9%減、「市場環境は劇的に変化」、Gartner
第4四半期のメーカー別出荷台数順位を見ると、米Hewlett-Packard(HP)が1464万台で16.2%のシェアを獲得して首位に返り咲いたが、出荷台数は前年同期から0.5%減少した。中国Lenovo Group(聯想集団)は前の四半期にHPを抜き初めて首位となったが、当期は15.5%のシェアで再び2位に後退した。ただし同社の出荷台数は1397万台と前年同期から8.2%増加しており、上位5社の中で最も高い伸びを示している。
一見すると、シェア首位に返り咲いて調子がいいように思われますが、そもそも2011年にはパソコン事業からの撤退の話が出て、株価を大きく下げたりしていたわけです。そこから特にすごい製品が出て一気に巻き返したというわけではありませんし、そもそも全体の出荷台数が下がっていて、スマホやタブレットに取って代わられているのですね。
まあ3位のデルはもっとひどい体たらくと言えるかもしれませんが、2位のLenovoの出荷台数はかなり伸びていますし、実際昨年はシェア首位を明け渡していた時期もありました。4位は台湾のAcer、5位も同じく台湾のAsusというわけで、伸びているのは中国・台湾の企業なわけです。PCが高性能・低価格化している現在、なかなか中国・台湾のメーカーと戦うのは厳しそうです。
そんなわけで、今までのヒューレートパッカードの黒は高そうに思われてしまうのではないかと思い、同じ土俵で勝負するための白ではないかなと邪推するわけです。他の4つのメーカーは明るい色ですからね。
元々ヒューレットパッカードは法人向けに強い会社だったので、堅牢なイメージの黒がよかったと思っているのですが、PCはどこのメーカーでも中身はたいして変わらないわけで、景気が低迷する中、この高価な感じが法人の方にも影響が出ているのではないかなと思ってます。
細かい数字とかはわからないので、あくまでも私の推測ではあるのですが、大きくは外れてないんじゃないかと思っています(スマホで見たら暗かったとかそういう理由もあると思ってます)。
とりあえず私ならこの現状で色の相談をされたら白背景に変えようと提案するでしょうね。
ただヒューレットパッカードは日本国内においては、国内生産をするだけの余裕を持つ会社でもありますので、もしかしたら黒に戻ることもあるのではないかなと思ったりしています。今年とか来年の話ではないでしょうが。
以上、デザイントレンドでできなかった今年の邪推です。
「あのサイトの色ってどうなの?」と聞いていただければ、ブログのネタができて私が喜びますので、気になるサイトがある方はお気軽にどうぞ。時間のあるときに考察して記事にしたいと思います。